天平時代にもあったパワハラ

syousouin201211.jpg午後に仕事が終わったので正倉院展へ出かけてきました。奈良へ着いたのは夕方。 

正倉院展では閉館90分前からオータムレイトチケットという割引(1000円→700円)があります。この時間帯になると並ばずに会場へ入れ、会場内も人が少ないのでゆっくり見られます。もっとも目玉である瑠璃坏(コバルトブルーのグラス)には長い行列ができていました。 

今回はガラス玉とスゴロクなどの遊び道具の展示が多かったですね。白と黒の碁石も展示されていました。いつも楽しみにしている古文書が少なかったのが残念。 

古文書の中に天平時代のパワハラ文章がありました。主人公は角勝麻呂という人部。写経生でしたが仕事でミスをしたようで、上司や同僚から「宴を必ず設くべし」と迫られ、親族と思われる角恵麻呂が連帯保証しています。この念書が古文書として残りました。 

上司や同僚がミスを表沙汰にしない代わりに宴会を強要したようで、まさにパワハラ。本当に宴会を開いたかどうかは分かりませんが、後の古文書にも角勝麻呂が登場しますので、無事に切り抜けたようです。 

先日、「平城京に暮らす」(馬場 基著・吉川弘文館)を読んでいたら、この話が出ていて現物を見られたのはラッキーでした。 

「平城京に暮らす」によると、当時は役所でも酒が支給されたそうで、酒がほしいという木簡が残っています。それも「二升ばかり」や「一ニ升」とあり、二升ほしいと直接的に書かないところがいじましいですね。 

また腹痛など休暇願の木簡が残っていますが、中には図太いのもいて無断欠勤がけっこうあったようです。役所が無断欠勤者のリストを作って呼び出したりしています。呼び出しがあると別の理由をつけて、また休む厚かましいヤツもいて、いつの時代も変わりませんね。

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