電子債権の利用急増 1年で倍の5万社に

日本経済新聞に「電子債権の利用急増 手形不要、1年で倍の5万社に」という記事が出ていました。
電子債権の利用が急拡大していて、利用企業は2012年10月末に約5万社となり、債権残高は1兆円を超えました。1年前の2倍強になったので急速に電子債権が浸透しているようです。電子債権(電子手形)は2009年11月からスタート。今までは紙の手形が使われていましたが、紙だと使い勝手が悪く、年々使用量が少なくなり、現金取引が増えていました。ただ資金繰りの手段として手形というシステムは便利です。
【紙の手形の問題】
・紛失・盗難
 盗難や紛失した手形であることを知らない第三者(善意の第三者)に手形が渡ると、もとの所持人は手形上の権利を失います。
・物理的な手渡しが必要
 手形割引を受けたり、支払ってもらう場合、銀行に手形を持参しなければなりません。遠隔地の企業と手形取引をする場合は輸送が必要。
他にも手形の作成・保管にかかるコスト、印紙税の負担が必要です。
電子債権(電子手形)はこういった紙ならではの問題を解決したもので、銀行に行かなくても期日になれば会社の口座に自動振り込みされます。電子債権になるので紛失や盗難の心配もありませんし、コストがかなり減ります。100万円の電子手形を30万円、70万円に分けて別々の支払いにあてる分割もできます。
【電子債権(電子手形)の問題】
ただ問題もあり会社のパソコンで簡単にできるので、ウイルス対策ソフトを最新にする、変なソフトはダウンロードしないなどセキュリティ対策が必須。
紙の手形は裏書して譲渡することができますが、裏書するということは保証人としての義務が発生するということです。経営者や経理担当者としては裏書する時にいろいろと考えるものです。同じように電子手形でも裏書(譲渡)が行えますが、簡単な操作で行えますので、資金繰りに対する心構えのようなものが希薄化される点があります。もちろんパソコンで管理できるので見える化の効果はあります。
こういった問題もありますが、メリットの部分が多いのでますます電子債権が拡がっていくでしょう。

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