七松城 荒木村重の舞台

七松城
尼崎のJR立花駅近く商店街を向けた住宅地にあるのが七松八幡神社。境内には「荒木村重ゆかりの地」という幟がひるがえっています。
昨年、大河ドラマ「軍師官兵衛」では、信長に精神的に追い詰められた荒木村重が謀反したように描かれていましたが、戦国時代に領主の独断専行だけで事をすすめられるわけがなく、中川清秀や高山右近など摂津衆の突き上げと十分に勝機があったため、摂津衆の総意のもとでの信長に対する謀反だったのでしょう。
ところが中川清秀や高山右近をいち早く荒木村重から遺脱させ取り込んでしまった信長が一枚上手でした。信長によって伊丹にある有岡城と有岡城の支城である尼崎城攻めが始まります。尼崎城攻めの付城として織田信忠が作ったのが七松城。城は現在の七松八幡神社一帯にありました。奈良などに多い、環濠型の城で近くの住宅地には水路が残っています。
■荒木村重の家臣などを処刑
荒木村重が神戸の花隈城へ、毛利の後詰を依頼するために有岡城から脱出しますが、その後、落城した有岡城の家臣や家族が処刑されたのが、この七松城。七松八幡神社境内に慰霊碑が建っています。
荒木村重につき従い花隈城に向かった荒木五郎右衛門という武将が、自分の妻が処刑されるのが分かり、身代りになると明智光秀に申し出ましたが、信長は許さず夫婦ともども処刑されたと信長公記に出てきます。七松八幡神社は商店街のすぐ近くにあり、住人は400年ほど前にそんな歴史があったとは、ほとんど知らないでしょうね。

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