リーダーズ・ダイジェストが倒産

原稿チェックや校正が3つも重なってしまいバタバタ状態でしたが、ようやく一息つきました。原稿を早目に出して、重ならないように分散したつもりが世の中、思い通りにいきませんなあ。さ~あ、一杯やろ!

思い通りいかなかった企業のニュースが飛び込んできました。

リーダーズ・ダイジェストが倒産です。ここは月刊誌「リーダーズ・ダイジェスト」の出版元です。日本では20年以上前の1986年までの発行でしたので知らない人も多いでしょう。小学校の高学年ぐらいからずっと親にお金を出してもらって購読していました。もちろん翻訳された日本語版です。

映画「ルーツ」の原作はアレックス・ヘイリーですが、ずっと「リーダーズ・ダイジェスト」に原稿が連載されていました。今、調べたらリーダーズ・ダイジェストの編集主幹だったんですね。

「リーダーズ・ダイジェスト」で感動したのが、「チャリング・クロス街84番地 書物を愛する人のための本」の連載です。傘を持ったおばさんが石畳の道の上で飛んではねている挿絵が印象的でした。

■チャリング・クロス街84番地
内容はニューヨーク在住の女性シナリオ・ライター(ヘレーン・ハンフ)とロンドンの古本屋さんの20年にわたる往復書簡集です。この古本屋がまたデイケンズの世界から抜け出してきたような古本屋でした。

そんな由緒ある古本やとは知らず新聞広告を見てヘレーンは必要な本のリストを1949年に送りました。さっそく本が送られ喜んだ彼女が礼状を出し、そこから手紙のやり取りが始まります。

当時はイギリスの食料事情が悪く、彼女はたびたび肉や卵を送ります。そのせいか最初は謹厳な英国人マナーをくずさかなった古本屋のマネジャーもだんだん相好をくずし、個人的なやりとりとになりました。

お金を貯めていつかはロンドンの古本屋に行くというのがヘレーンの夢でしたが色々ありまして、20年間ついに行けませんでした。書簡をやり取りしていたマネージャも社長も没してしまいます。物語はそこで終わっています。

■後日談
後日談があるそうでついにヘレーンはロンドンの土地を踏み、この古本屋(マークス社 いまもあるそうです)を遂に訪問したそうです。

となるとリーダーズ・ダイジェストで見た、あの挿絵はロンドンに着いて古本屋を訪れたヘレーンが狂喜乱舞している挿絵だったのでしょうか?(となると後日談の方を読んだのかな)今は中公文庫から出ています。