桜井の駅の別れ

simamoto2011051.jpgJR東海道線・島本駅前に公園があり、ここが桜井の駅跡。

駅といっても電車の駅ではなく律令制度で街道に設けられた駅で、旅人の宿泊、荷物運搬の人馬を中継ぎする設備がありました。もっと時代が下ると宿場になります。公園の横にある細い道路が西国街道で京都と西国(山陽地域)を結ぶ街道でした。

桜井の駅で有名なのが楠木正成、正行の親子の別れ。九州から攻め上ってくる足利尊氏に対し、湊川の戦い(現在の神戸)に向かう楠木正成が父と一緒に戦うと懇願する息子の正行を河内国へ帰します。私が討死したら、お前は帝のために戦えと諭す太平記の名場面です。

なんで桜井の駅で別れたのかなと思ったら、淀川のすぐ向こうに男山(石清水八幡軍)が見えました。男山からは東高野街道が通っていて、後年、南北朝がぶつかる四條畷や瓢箪山、富田林、河内長野を通って千早赤阪へ続いています。交通の要衝だったんですね。

島本駅で電車を待っていると、電車が近づいてきますの後に、ボンボンボボーンと懐かしいメロディーが。サントリーオールドのコマーシャルで流れていた「人間みな兄弟」です。サントリー山崎蒸溜所が近くなんで、こんなメロディーにしたのかなあ。なかなか粋です。