吹上の郡道をゼロ戦が通る

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    映画「風立ちぬ」で、名古屋港にあった三菱重工業株式会社・名古屋航空機製作所から牛車でゼロ戦を岐阜県の各務原飛行場まで運ぶシーンが出てきますが、名古屋市新事業支援センターがある吹上を通る郡道をゼロ戦が通っていたんですね。 

    郡道というのは明治42年に完成した道路で、愛知郡内の村々を結ぶ主要道として整備されました。大正期には愛知郡内に49本もの郡道がありましたが、都市化などによってどんどん消えていきます。吹上を通る道は今だに郡道と呼ばれ、飯田街道の古井ノ坂交差点から東海道の呼続を結んでいます。 

    郡道といっても幅3メートルほどの狭い道で吹上では100メートル道路に分断されています。郡道の両側には商店が並んでいましたが、だいぶ少なくなり吹上あたりでは吹上八幡社の写真にある吹上観音(吹上にあった古墳を祭る)の前を通って名古屋工業大学のキャンパス横をずっと通っていきます。 

    ここが昔の幹線道路でゼロ戦が通っていたとは誰も思わないでしょうね。ゼロ戦の輸送にはトラックも使ったのですが道路状況が悪く、機体が破損したりしたので牛車が使われるようになりました。