佐藤首相の密使 若泉敬

今朝の中日新聞トップ記事は非核三原則、核密約など佐藤首相から岸首相にかけての時代についての特集記事。時々、連載でやっているようですが、力作ですね。新聞はこうでなくっちゃあ。 

今日の新聞トップにも掲載されていましたが佐藤首相の密使として活躍したのが若泉敬(故人)という人物。京都産業大学の先生もやっていました。 

30年以上前、京都産業大学に在籍した一回生か二回生で履修した一般教養科目で使われたテキストが「未来を生きる トインビーとの対話」。1970年に行われたトインビーへのロングインタビューが毎日新聞に連載され、それをまとめて出版されたものです。 

著者はインタビューを行った若泉先生で一般教養科目の担当講師です。沖縄返還などに尽力したという国際政治学者とは聞いていましたが、学生にとっては単なる講師陣の一員。ただ、けっこうダンディーな先生だなと思ったことは覚えています。 

「評伝 若泉敬 愛国の密使」(文春新書)を読むと、凄まじい人物だったんですね。歴史的に見ると日本への沖縄返還はもっと遅い、いつかの時点でなされたかもしれませんが、あの時点で返還されたのは佐藤栄作総理と若泉氏の尽力の賜物。 

日米安保や憲法を含め、いろいろと日本の自主防衛が話題になっていますが、日本はどうあるべきか常に考え、考えるだけではなく実際に行動したすごい人物でした。そんなことを理解できていたなら大教室の一番前に座って、講義をしっかり聞いたのに。30年以上たって後悔しております。 

密約問題

密約問題がニュースになっています。

京都産業大学で一般教養にとっていた科目の一つが若泉敬教授。教科書に「トインビーとの対話」を使うので面白そうだなととった科目です。

この若泉教授、国際政治学者で、沖縄返還交渉において佐藤栄作首相の密使として動いた人物と言われています。アメリカとの極秘会談などをしましたが相手になったのがキッシンジャーです。今回の密約問題の発端になったのが若泉教授が94年に出した本です。

日米繊維交渉で動いた人物ということは知っていましたが、そんなすごい先生とは思いませんでしたのでもう少し真面目に勉強しておくんだった。当時は、紙カードをパンチしてコンピュータのレポートに追われていました。

岡潔の講義も受けたかったのですが、ちょうど入学前になくなってしまいました。