下鴨納涼古本まつり

下鴨神社の糺の森(ただすのもり)へ。

下鴨納涼古本まつり
下鴨納涼古本まつり

目的はもちろん京都古書研究会主催の下鴨納涼古本まつりです。糺の森は紀元前3世紀ごろの原生林と同じ植生が今に伝えられていて、都会の貴重なオアシスです。今日は雨が降ったりやんだりの天気で、そのたびに本にシーツをかけたりはずしたりと運営側は大変です。あいにくの天気でも集まるのが古書マニア。そうそう今年はいないだろうと思っていましたが、こんな天気でも浴衣姿で本を探している女性がいて、さすがに京都の古書市は違いますね。

■「夜は短し歩けよ乙女」の舞台
下鴨納涼古本まつりといえば「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)の舞台になっていて第二章に出てきます。気になる女性をおっかけて古書まつりに、主人公が出会うのが古本市の神さん、姿は小学校年なんですが、めちゃくちゃ本に詳しいいやなガキです。この古書市の奥底で変な古書を取りあうゲーム(暑い中、火鍋を食べる)が行われており、ひょんなことから主人公も参戦します。そんなゲームをしなくても、今日は湿気も多く、めちゃくちゃ暑かったです。

古本屋の三味線

三味線
三味線

公園を散歩していると三味線の音色が。誰かが練習しているようです。

学生時代、丸太町通りにあった古本屋に入ると、店番のオバサンが三味線を奏でていました。
「いいな~あ。本に囲まれて優雅な生活だな~あ。古本屋さんになろうかな~あ」

と考えて色々と調べると、とてもそんな簡単なものではありませんでした。志多三郎氏の「街の古本屋入門」という名著があり、古本屋経営についていろいろと書かれていますが古本屋は仕入れが命。

オバサンが三味線を弾きながら店番をしている最中、きっと店主は仕入れに駆けずり回っていたはずです。というわけで古本屋さんになる夢はあえなく潰え、システムエンジニアになることになります(笑)。

反町茂雄氏の人と仕事

「7日間 book cover challenge」2日目は出版界の三茂雄の一人、反町茂雄です。他の二人は岡茂雄(岡書院、梓書房の創立者)と岩波茂雄(岩波書店の創立者)です。

反町茂雄氏の人と仕事
反町茂雄氏の人と仕事

●反町茂雄って誰?
弘文荘という古典籍専門の目録による通信販売を行っていた古本屋がありました。研究者などが、ずいぶんお世話になった古本屋です。昭和の初めに東大を出て、神田に今もある一誠堂で住み込みで小僧になって、この業界に入り、独立して弘文荘を作ったのが反町茂雄です。作成していた目録もただの目録ではなく、詳細に内容をチェックして調べたもので資料性の高いものでした。国宝や重要美術品になった本を数多く扱っていました。

ときたま古書市などに目録が出ますが高い値段がついています。私も5冊ほど集めましたが、あまり市場には出まわりません。谷沢永一氏も反町氏に頼んで研究用にこの目録を送ってもらっていました。

●入手が大変だった
反町茂雄が亡くなった時に追悼の意味をこめて文車の会(反町氏が作った古本屋の勉強会)が作成したのが「反町茂雄氏の人と仕事」です。脇村義太郎、寿岳文章、谷沢永一、紀田順一郎...錚々たる執筆者です。探していたんですが非売品で流通量が少ないこともあり古書目録にも載らず、なかなか見つかりません。

あきらめかけていたら大阪駅前ビルにある浪速書林の主人の後ろの棚にあるではありませんか。主人に言ってとってもらったら売価が書いてない。これいくらですか?と聞くと、奥さんに聞きにいったようで、今、奥さんが読んでいる本で売り物ではないと言われました。

これで振出に戻りました。でも待て待て相手は古本屋だ、きっと読んだら次は売り出すはずだ、ということで網をはることにしました。案の上、日本古書通信(昭和の初めからある古本屋、研究者、本好きのための月刊誌)の目録に浪速書林の名前が、目録を見ていくと本の名前がありました。やりましたね!さっそく葉書で注文です。ようやく1万円で手にいれた一冊です。

重量3kgの戦国全史がある神保町、恐るべし

神保町
神保町

石神井城をめぐった後、RedBall(AllAbout)に参加する前に時間があったので迷わず神保町へ。東京で時間があったら、やっぱり神保町でしょう(笑)。 

いつも地方出版を扱っていた書肆アクセスをのぞいていたのですが、閉店したのは本当に残念です。かわりにアットワンダーなどの新しい古本屋が誕生していました。道路の壁一面が古本といえば矢口書店が有名ですが、このアットワンダーでも脇に入った道路の壁一面に古本を並べていて、外国人が思わず写真を撮っていました。 

神田古書センターに出向くと地下ホールで古書市をやっていました。もっとも来店しているのはオッサンばっかりです。恵比寿へ出てRedBallに参加するので、荷物になるような本は買わないでおこうと誓っていたんですが、「クロニック戦国全史」を発見。定価が14,369円で800ページにわたって戦国時代を網羅した一冊です。でかいし重量が3kgと猫なみです。”いくらかな”と見返しを見ると800円!! 

結局、買ってしまい重い本を持ったまま恵比寿へ出てRed Ballに参加。大阪まで持ち帰りました。重かった! 

天牛堺書店 閉店

天牛堺書店、倒産してしまったんですね。先日、高石へ行った時に久しぶりに寄ってきたんですが
天牛堺書店は堺を中心に大阪南部に12店舗を展開しており新刊書店だけでなく古本も扱っています。特に堺筋本町のお店は、古本をたくさん扱っていて重宝しました。あと中百舌鳥駅の構内にもあって、ここは乗り換え時に寄れて便利でしたね。
神戸の海文堂書店も、大和八木駅構内にあった若草書店も閉店してしまいましたし、街から本屋が消えるのは寂しいですね。

下鴨納涼古本まつり

下鴨納涼古本まつり
下鴨納涼古本まつりには40軒近くの古本屋さんが出品しており、一角に絵本コーナーがあります。ここには古書市の神様に回収された「ラ・タ・タ・タム」の絵本があります。
あるはずなんですがねえ。(笑)なんとか絵本を見つけて手を出し、黒髪の乙女と手を触れあわねば!
ご存知、森見登美彦の小説「夜は短し歩けよ乙女」の一節です。しばらく絵本を探しても見つからないので本来の目的である城郭関係の古本探しです。探していると目的とは関係のない津の昔の本などを見つけてしまうので困ったものです。ツン読が増えるだけです。でも本は見つけた時に買わねば二度と出会えません。
下鴨納涼古本まつりは京都古書研究会が主催する古本市で、なんせ古代からある糺ノ森で古書市が行われます。学生やら外国人など京都らしいお客さんが多く緑に囲まれて一風変わった古書市です。

古書市(四天王寺)

古書市
四天王寺の古書市に出かけてきました。明日、5月3日まで開催しています。
寺社仏閣での古書市は解放感があっていいですねえ。大阪では大阪天満宮で行われる”天神さんの古本まつり”も有名です。京都では森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」の舞台ともなった糺の森の古書市(下鴨納涼古本まつり)と百万遍にある智恩寺で行われる「秋の古本まつり」です。
智恩寺の古本市は私が学生時代には始まっていたので40年近くの歴史になります。当時は誰もが参加できるオークションがあり、落札すると寺の鐘がゴーンと鳴らされました。(笑)
古書市では山城関係の本をあさったのですが、あまりなかったですね。その代わり「中村屋のボース」という本を掘りだしてきました。新宿中村屋のカレーはインド独立運動と関係が深いことで有名ですが、カレーの味がますます味わい深くなる一冊です。

宇治山田MANYO書店

宇治山田MANYO書店
午後から伊勢商工会議所でIT窓口相談。
近鉄・宇治山田駅を降りて沢村栄治の実家跡がある明倫商店街を通り過ぎようとしたら古書の字が目に入りました。こんなところに古書店はなかったはずだが、と奥に入っていくと古書店でした。しかもMANYOの文字が!
えっ、あのMANYO書店!!
伊勢に大きな古書店、超書店MANYOがあり、かっては津駅前、立町商店街、白子駅前などにも大きな店を出していました。「ひょうご産業活性化センター」が入っている神戸サンパルにも昔、入っていて1フロア全部を古書店にしていました。
帰ってネットで調べるとMANYO宇治山田店になっていて超書店MANYOに、どうも関係がありそうです。店内は普通の古書店サイズで、小説などが多く専門書は少なめでした。「三重県の城郭大系」が安く手に入らないかなと探しているんですが、なかなかないですね。

ロードス書房の閉店

  • ro-dosu201308.jpg

    ひょうご産業活性化センターが入っている三宮のビル・サンパルは古書街「サンパル古書のまち」で有名でした。昔は8軒の古書店があって、三宮に行くとサンパルに寄っていたんですが、だんだんと減少。 

    2001年には、伊勢の古書店「万陽書房」が大型店をオープン。広くて品揃えがよかったのですが、2010年頃に閉店。閉店セールにはしっかりと行きました。 

    サンパル2階で営業していたロードス書房がいよいよ8月末に閉店することとなり、これでサンパルから古書店がなくなります。ひょうご産業活性化センターには毎週木曜日に行っているんですがロードス書房の休みも木曜日。シャッターが降りた古書店をいつも見ておりました。 

    今日は珍しく金曜にひょうご産業活性化センターでしたので、昼休みに閉店セールへ行ってきました。店内の本がすべて半額なので、買い込んできましたが混雑してましたねえ。でも古書店がなくなるのは寂しいなあ。神戸新聞によると店主の体調が優れず、「棚を整理する体力が残るうちに」と幕を下ろすことになったそうです。ネット販売と目録販売で店は続けるともありました。

別所書店・本店

honya201301.jpg津市(三重県)を中心に6店舗ほどを展開する新刊書店が別所書店。地域密着の本屋さんです。 

本店が中心市街地にあり、中学校・高校時代によく利用していました。店の間口は大きくないのですが、奥が深く、3階建てになっていて1階は文庫や文学関係、2階は何だったかなあ、3階には参考書などが並んでいました。ここで初めて買った本が星新一の「ノックの音が」で、しばらく星新一にはまっていました。 

津市内に他に大きな本屋はなく、参考書などを買いにいくなら別所書店でした。当時、三重県で一番大きかったのが四日市の諏訪商店街にあった白楊書店。 

モータリゼーション時代となり、ロードサイトの大型書店が登場し始めます。中心市街地への集客が落ちたため別所書店も修成店のような大きな駐車場付きの大型店を展開しだします。いつしか本店も閉店。小売はやめたのですが倉庫代わりには使われていましたが、とうとうビルごとなくなってしまいました。 

津が発祥の岡三証券が創業90周年で、ここに新しい津支店を建てるそうで、現在工事中です。昔、よく行っていた本屋や映画館がなくなると寂しいものがありますね。