タグ: インターネット
インターネットはバケツリレー
J-Motto経営コラムを作成し、原稿を送信。仕事も終わったので一杯やりたいところなんですが土曜日に人間ドッグなんでガマン、ガマン。
今月のテーマは「インターネットのバケツリレー」
ルーターが行なっている経路制御の話なんですが、ずっと遡れば旗振り通信システムです。
■旗振り通信システム
江戸時代、全国の米価格は大阪・堂島の相場が基準でした。地方では一刻も早く堂島のコメ相場を知ろうと考え、作られたのが旗振り通信システム。見
晴らしのよい山から山へ旗を振ってコメ相場を伝えました。範囲は広く、西は九州北部から東は江戸までの距離をバケツリレーで情報伝達します。例えば広島ま
で27分という短時間で伝えられました。
旗振り通信システムは電話が企業で使われるようになる大正時代まで存続、今でも日本各地に旗振り山、相場山などの名前が残っています。
インターネットの仕組みも旗振り通信システムと同じバケツリレーで、昔のUUCPなんてバケツリレーそのものでした。今のルーターの経路制御も、どのルーターを通ればよいか最短経路を計算して送り出しますが、基本はバケツリレーです。
インターネットの管理者は誰?
インターネットが始まったきっかけは1961年にアメリカで発生した電話中継基地の爆破テロ。
国防省の軍事回線がダメになってしまい、集中型ではなく分散ネットワークにしないとまずいと研究がスタート。やがて今のルーターの原型ができて4つの大学をネットワークで結びました。このネットワークが増殖して、今のインターネットになっています。
日本では1984年に実験がスタート。JUNETという名前でした。当時はサーバーのバケツリレーでメールなどを送る必要があったので、会社や大学なのでサーバー・ネットワーク図が掲示板にアップされていました。今じゃセキュリティーの問題から絶対にできませんね。実に牧歌的な時代。
まだホームページなどが登場する以前です。懐かしいなあ。ところで皆さんがふだん使われているインターネットって誰が管理しているのでしょうか?
AllAbout「企業のIT活用」にアップした最新記事です。こないだ学生に聞いてみたら、誰も知らなかったので、世間の理解って、そんなもんなのと思って書いた記事です。
昔のインターネットは実名文化だった
雑誌などで新しい実名情報社会がやってきたとFacebookなどの特集が始まっています。インターネットでは匿名文化が中心でしたので、新しいと言われていますが、昔のインターネットは実名文化でした。
1984年、実験ネットワークとして始まったJUNETが日本のインターネットの元祖です。接続していたのは大学やIT企業で、当然使っているの
は技術者や先生が中心となりました。匿名を使うという考えさえもなく最初から実名でメールや掲示板に記事を出す時は署名をつけるのが基本でした。
メールはサーバーを次々に送っていくバケツリレー方式でしたので、会社や大学のネットワーク図が公開されていました、今から考えると実に牧歌的な
時代です。現在も同じですがインターネットの運営に管理主体はありません。技術的な要件や運営的な要件は提案者がドラフトをまとめRFP(Reqest
For
Comment)を発行します。いろいろなコメントが寄せられるので、それをまとめて、最後に参加者による投票となります。参加者は当然、実名です。
文化的衝突が起きたのが1993年。ハンドル名(匿名)が当たり前だったパソコン通信Nifty-ServeとPC-VANがインターネットに接
続されメールのやりとりができるようになってからです。掲示板上で今まで通り実名を使うべきだ、いやいやハンドル名でよいと文化的論争が起きました。結果
は皆さんご存知のとおり匿名文化の隆盛となりました。
ソーシャルネットワークでまた実名文化が登場するのを見ているとワンサイクル回ったのかなという気がします。