伊勢音頭恋寝刃

油屋
御園座の歌舞伎公演が10月に行われますが演目の一つが「伊勢音頭恋寝刃」。歌舞伎俳優が古市の資料館などを訪れたそうです。
伊勢神宮・外宮から内宮へ続く街道の途中に古市があり、昔は遊郭としてにぎわっていました。ここで起きたのが油屋騒動。油屋は古市にあった遊郭で、ここに遊女「お紺」がいました。かなりの売れっ子だったようで、宇治のお医者さんがお紺を座敷に呼んだのに他の部屋の客に呼ばれて行ってしまいます。
お医者さんは下男下女になだめられて帰ろうとしましたが、酒を飲んでいたこともあって刃物で次々に切りつけ死傷者を出す事件となってしまいます。お医者さんは逃げましたが、逃げ切れないと自刃して果てます。
伊勢へは全国から参拝客が来ていますので、あっという間に事件は全国に知られ、一目、お紺を見ようという客で油屋は大繁盛。事件を題材に歌舞伎が作られました。
油屋は現在の古市街道が近鉄線をまたぐ橋のたもとにあり、石碑が建っています。お紺は49歳で病死しましたが、事件を起こしたお医者さんと共に祀られ「比翼塚」になっています。お紺にとっては迷惑な話です。油屋騒動の舞台が行われる時は、出演者がお参りする風習があるそうで四谷怪談と同じですね。

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