雑誌などで新しい実名情報社会がやってきたとFacebookなどの特集が始まっています。インターネットでは匿名文化が中心でしたので、新しいと言われていますが、昔のインターネットは実名文化でした。
1984年、実験ネットワークとして始まったJUNETが日本のインターネットの元祖です。接続していたのは大学やIT企業で、当然使っているの
は技術者や先生が中心となりました。匿名を使うという考えさえもなく最初から実名でメールや掲示板に記事を出す時は署名をつけるのが基本でした。
メールはサーバーを次々に送っていくバケツリレー方式でしたので、会社や大学のネットワーク図が公開されていました、今から考えると実に牧歌的な
時代です。現在も同じですがインターネットの運営に管理主体はありません。技術的な要件や運営的な要件は提案者がドラフトをまとめRFP(Reqest
For
Comment)を発行します。いろいろなコメントが寄せられるので、それをまとめて、最後に参加者による投票となります。参加者は当然、実名です。
文化的衝突が起きたのが1993年。ハンドル名(匿名)が当たり前だったパソコン通信Nifty-ServeとPC-VANがインターネットに接
続されメールのやりとりができるようになってからです。掲示板上で今まで通り実名を使うべきだ、いやいやハンドル名でよいと文化的論争が起きました。結果
は皆さんご存知のとおり匿名文化の隆盛となりました。
ソーシャルネットワークでまた実名文化が登場するのを見ているとワンサイクル回ったのかなという気がします。