コンビニカフェに対抗するためスターバックスが都心に小型店展開を強化していくと報道がありました。
■コーヒーは牛丼と同じでブランド・スイッチされやすい
コンビニ各社がテイクアウト・コーヒーに力を入れており、対抗するためスターバックスでは低コスト運営できる小型店を増やしています。背景としてコーヒーはブランド・スイッチされやすい点があります。例えば私の場合、新大阪駅のスターバックスが賑わっていると、「行列に並んでまで買いたくないな」と思い、新幹線ホームに上がってキヨスクでテイクアウト・コーヒーを買っています。もっと時間がないと車内販売のコーヒーを飲んでいます。
私のようなお客はキヨスクのコーヒでもドトールコーヒでも、なんでもよくテイクアウトでコーヒーが飲めればよいと思っています。コーヒーの味にすごい差があれば別ですが、スターバックス・ファンでない限り、簡単にブランドスイッチしてしまいます。これは牛丼の世界と同じで、吉野家の牛丼でないとダメというお客もいますが、松屋、すき家、吉野家のどこでもよいと考えるお客も多くいます。こうなると、お店が目に入るかどうかが勝負で、価格はあまり関係がありません。
■コンビニカフェの周りに店を出す
コンビニの場合、店舗をまわるトラックの配送効率を考えドミナント戦略で出店しています。ドミナント戦略とは集中戦略のことで、ある地域に集中的に店舗をつくって面で地域をおさえてしまうことです。スターバックスの場合、主な原材料はコーヒーで、コンビニに比べ少品種になり、配送頻度も少なくてすみます。またコンビニよりも狭い商圏で成り立ちますので、コンビニカフェをつぶそうと思えばコンビニのすぐ近くにサンドウィッチする形で複数店を出せばOK。
また弁当を買おうとコンビニにお客があふれかえっている中、殺気立っている店員にテイクアウト・コーヒーを頼むのは至難の業。自分の後ろの列からは「なに時間がかかるものを頼んでいるんだ」ときつい視線がつきささります。近くにテイクアウトコーヒー店があれば、そっちでコーヒーを買おうになってしまいます。テイクアウト店で買うのが習慣化すると、コンビニがすいていても店員にテイクアウト・コーヒーを頼まなくなります。
スターバックスとしては、なるべく行列を作らさず、すぐにコーヒーが買えるオペレーション勝負になります。店に入って、買ってから店を出るまでの動線設計も重要です。プロモーション用の変な看板を動線上に置いてしまったらアウト。待ち時間が増えた途端、お客が離れていきます。
さてコンビニカフェとスターバックスとの戦い、どうなりますことやら。