身代り申(奈良町)

身代り申
奈良町を歩くと家々の軒先に赤いぬいぐるみが列になってぶら下がっています。身代り申です。
奈良町はかつて元興寺の敷地内で、火災で焼けてしまった本堂跡に建っているのが庚申堂。庚申とは人のお腹のなかには「三尸の虫」という虫がいて、庚申の日の夜に人々が寝静まってから体からぬけだし、その人がしてきた悪事を天帝に告げにいくといわれています。
天帝が天の邪鬼に命じてその人に罰を与えるので、人々は三尸の虫がぬけださないように寝ずに過ごす習わしがありました。上方落語の「宿屋仇」などのテーマにもなっています。
さらに心配な人は天の邪鬼が嫌いな「身代り申」を吊るし、三尸の虫の嫌いなコンニャクを食べて悪魔を退散させます。庚申の日に徹夜する風習はなくなりましたが身代り申をつるし信仰は奈良町に残っています。
元興寺は蘇我入鹿が建立した日本最古の法興寺を平城京へ移転したものですが、不思議なことに元の法興寺はそのまま残っています。また元興寺は童子による鬼退治で有名ですが、この童子がやがて法師となり、故郷へ帰って建てたのが尾張元興寺。金山駅のすぐそばにあります。

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