以前、道鏡に由来する由義宮の話題で『藤原氏との権力争いなどから、”かぐや姫”の物語が生まれた』と書いていたら、『なんで、かぐや姫が関係あるの?』という質問がありました。
かぐや姫といえば竹取物語です。あまり知られていませんが一説には藤原氏告発の書と言われています。竹から生まれ美人に育った、かぐや姫に5人の公達が求婚します。5人の公達は、石作皇子、車持皇子、阿倍御主人、大伴御行、石上麻呂で、阿倍御主人、大伴御行、石上麻呂は実在の人物で、壬申の乱や天武・持統朝に活躍した人物です。石作皇子は多治比島ではないかという説もありますが、歴史に埋もれてしまった実在の人物かもしれません。
■車持皇子は藤原不比等のこと?
車持皇子は藤原不比等と言われており、車持は母方の名前です。かぐや姫から「蓬莱の玉の枝」を持ってくるように言われますが、海に出ず、職人に命じて偽装します。ところが職人に賃金を払わなかったことから偽装がばれます。竹取物語では車持皇子が最も卑劣な人物として描かれています。表だって藤原氏を批判するわけにはいかないので、他の4人は実名なのに車持皇子だけ仮名にしたのではと言われています。
月から、かぐや姫を迎えにきますが、その時の台詞が「さあ、かぐや姫。穢れた所(地上)から戻りましょう」で、”(藤原の)穢れた所”という意味と言われています。浦島太郎など日本の昔話は、いろいろと奥深いですねえ。