片岡城のある片岡は古い地名で飛鳥時代には名前が登場します。
日本書紀に片岡山伝説が出てきます。聖徳太子が片岡に行った時に、飢えた人が道に寝ていたので、聖徳太子は食べ物を与え、自分の衣服を脱いでその人を覆い「安らかに寝ていなさい」と語ります。ところが翌日には死んでしまい、聖徳太子は埋葬を命じます。数日後、聖徳太子は埋葬した人は聖(ひじり)に違いないと語り、墓を見に行かせたところ遺体はなく衣服がたたんでありました。周りの人は「聖(ひじり)は聖を知るというのは、真実だったのだ」と語って、ますます聖徳太子を畏敬したという、なかなか不思議な話です。
聖徳太子が飼っていたペットまで不思議でして、それが雪丸という犬。王寺町の公式マスコットキャラクターになっています。この雪丸には、人間と話をしたり、お経を唱えたりすることができたという話が残っています。主人も不思議なら飼犬まで不思議ですねえ。
教科書に厩戸王(聖徳太子)と紹介されるようになり話題となった聖徳太子ですが、実在しなかったという説から蘇我馬子の長男である蘇我善徳を聖徳太子とする説まであります。