三岐鉄道北勢線・大安駅のすぐ近くにあるのが大井田城です。
山城には珍しく石碑と案内板があり、案内版には「員弁雑志」に栗田左衛門佐の居城であったと書かれていて1473年頃に美濃の斉藤氏が攻め寄せた時、北伊勢衆が1ヶ月余りにわたって防戦したそうです。栗田家は北勢四十八家の一つで伊勢朝日駅近くの縄生城主でしたから距離的に少し離れています。家老の因入道道信が城主だったのかもしれません。いずれにしても織田信長の伊勢侵攻でえらい目にあったのでしょう。
大井田城は主郭などいくつもの郭があるんですが、すごいのは土塁で囲まれた方形区画群で約40もあります。近くにある保々西城にも方形区画群があるんですが、それ以上です。家臣団の屋敷とも考えられますが規模がすごく、小領主や土豪のレベルを超えていて不思議な城です。
大井戸城は貴重な城跡ですが、真ん中に道路を通してしまってその名も「城山通り」となっています。道の両側の藪の中に方形区画群がありますので、もっとあったのでしょう。ただ地元の人が反対したようで主郭などはしっかり残されていて主郭は梅林公園として整備されています。他の郭は藪の中ですが井戸跡などがしっかり残っていました。