子嶋城は最近、発見された山城で「近畿の城郭5」に掲載されていました。観覚寺城から谷を挟んだ対面にある子嶋寺背後の丘陵地にあります。城としては単純な郭が連なった形ですが、尾根筋からの侵入を防ぐために堀切があります。
もともとは付近を支配していた子嶋氏の城だったようですが1516年(永正15年)に子嶋氏から高取城を越智氏が奪った時に、この子嶋城も奪われたのではと考えられています。
郭の開けたところからは観覚寺城がすぐそばに見えて、二つの城で越智氏の拠点である高取城方面への防衛を行っていたようです。観覚寺あたりでは1473年(文明5年)に天理を本拠とする豊田氏と1546年(天文15年)には筒井氏との合戦がありましたので、もともと重要拠点でした。