大物を舞台にしたのが能の船弁慶。源義経、武蔵坊弁慶、静御前、平知盛が登場する能です。この能を題材にした上方落語もあります。今では埋め立てられて信じられませんが大物浦は西国への船の表玄関でした。
■船弁慶
頼朝と不和になり義経は都落ちを決意して弁慶以下十余人で摂津の大物浦に着きます。ここで静御前を都に返すことになり、静御前は同行をあきらめて離れます。さて大物浦から船出すると、外海は大荒れに。そこへ平知盛の幽霊があらわれますが弁慶が数珠で祈ることで鎮めます。
■実際は
実際のところは頼朝と敵対した義経は九州で再起しようと大物浦から船出しましたが、途中暴風のために摂津に押し戻されてしまいます。これで再起は無理となり、吉野に逃げ込みますが静御前が捕らえられ、最後は奥州・平泉を目指します。当時の大物浦は大物主神社のすぐ近くまでが海になっていて義経主従は神社横にあった宿屋に逗留していたと伝わっています。。