奈良町界隈を歩くと家の軒先に赤いぬいぐるみがぶら下がっています。これが身代わり猿(申)。
庚申信仰というのがあり、三尸(さんし)の虫が体内にいて、庚申の日の夜、寝ている時に体から抜けだして天帝にその人の悪事を報告に行きます。これで寿命が決まるのでいわば通信簿です。スノーデンが暴露したNSAによる国際的監視網みたいなものですなあ。
庚申の日は60日周期なので、この日は寝ずに庚申さんを供養することになり、これが庚申信仰です。全国にあり平安から明治時代まで盛んでしたが大正の頃から廃れていきます。
奈良町には庚申堂が今もあり、軒先に魔除けとなる身代わり猿をつるして、家の中に災難が入ってこないようにしています。災いを代わりに受けることから身代り猿(申)とよばれています。コンピュータの世界で言えばファイアウォールですなあ。