高石商工会議所の近くに綾井の清水がありました。綾織のように美しい水が沸くことから綾井になったそうで、綾井の地名の元になります。綾井の清水は農業用水などに利用されていましたが、今も街中に水路が通っており暗渠になっていないのがいいですね。
綾井はけっこう古い地名のようで中世には綾井荘がありました。綾井荘は広い範囲に分布していたようです。明治時代は取石村大字綾井として隣の取石(とろし)に取り込まれていました。取石も古い地名で奈良時代まで左溯れます。かって取石池があり万葉集に「妹が手を 取石の池の 波の間ゆ 鳥が音異に鳴く 秋過ぎぬらし」とうたわれています。聖武天皇が紀伊行幸の際には取石に頓宮がありました。渡来系氏族である取石造の居住地ともいわれています。