出世払い(三つ丸餅)

藤堂高虎が慶長13年(1608)に伊予今治から伊賀国・伊勢国に転封となって、津城主になって400年ということで、津のそこかしこに入府400年の旗指物がひるがえっています。

藤堂高虎を崇拝する東郷平八郎がバルチック艦隊を破った後、1905年10月13日に連合艦隊を率いて津を訪れています。これは水軍司令で有名な高虎が津へ入国する故事を再現したパフォーマンスだったそうです。

入府400年の旗指物ですが、藤堂家が使っていた旗指物(三つ丸餅)になっています。これには逸話があり、浅井家から出奔した高虎が諸国を放浪していた時、三河で路銀が尽きてしまいました。

空腹に耐えきれず入った餅屋で無銭飲食をしてしまいましたが、主人は笑って許してくれ、路銀まで恵んでくれました。この恩を忘れないため、旗指物が餅になりました。「城持ち」になるという意味もこめられています。

その後、大名として江戸へ向う高虎が三河の餅屋の前で行列を止め、この時の恩に報いた話が浪曲・講談の「出世払い」で有名です。藤堂家では、その後も必ず餅屋で休息して餅を食べるという慣例ができたそうです。

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