帝国ホテル大阪の近くに日羅碑があります。日羅、懐かしい名前ですね。「日出処の天子」(山岸凉子)に登場します。
百済から来た僧、日羅に女装までして厩戸皇子が会いにいきます。ここに新羅から渡来していた淡水(たんすい)という人物が同席していました。韓流ドラマでおなじみの花郎(ファロン)の一員です。
淡水は厩戸皇子を弥勒仙花の生まれ変わりとして心酔していました。弥勒仙花というのは弥勒が花郎に化してこの世に出現した姿をいいます。ところが厩戸皇子と会った日羅が、一目で厩戸皇子の異形を見抜いてしまい、「そこにいる童は人にあらず」と言ったことから、この淡水が日羅を暗殺してしまいます。
というのはコミックの話。
実際の日羅は大伴氏に従い朝鮮半島に渡った武人の息子で、百済の高級官僚になっていました。敏達天皇の要請により583年、日本に帰国、敏達天皇に朝鮮半島に対する今後の方針について聞かれたところ、答えたのが百済に不利な内容だったため、百済の役人に難波で殺されてしまいました。日羅を葬った初葬の地がこの日羅碑があるあたりと伝わっています。