ED31型などが残る近江鉄道ミュージアム

近江鉄道
滋賀の私鉄と言えば近江鉄道。地元ではガチャコンと呼んでいます。電車が”がちゃこーん”、”がちゃこーん”と走るところから名づけられています。
西武・創業者である堤康次郎は滋賀県出身で、滋賀県に西武鉄道そのものは走っていませんがJRの駅前にはレオマークがついたバスやタクシーがよく停まっています。近江鉄道も西武グループの一員で車体は基本的に西武カラー。西武の古い車両も走っています。路線の一部が東海道新幹線の横を通っていますので運がよいと新幹線からガチャコンを見られます。
先日、彦根駅で佐和山城へ行くのに賑わっている彦根城側ではなく近江鉄道側に降りると、たくさんの電気機関車が並んでいました。見ると近江鉄道ミュージアムとあり、さっそく中へ。近江鉄道では「豊郷あかね」というキャラクターまであるんですね。ミュージアムの外には古い電車などをそのまま保存しています。昔懐かしい凸型のED31などがずらっと並んでいました。国鉄が東海道線電化開業時に輸入したED14型もありました。写真の右に映っているのはロコ1101形で、昔、阪和電気鉄道で走っていたそうです。

阪急京都線に中津駅がない理由

中津
梅田から宝塚線の急行に乗ると、同じタイミングで京都線の特急と神戸線の特急がスタートし、十三駅まで並走して走ります。あずき色の車両が並走して淀川の鉄橋を走るのはなかなか見ものです。そうそう、あずき色と言ってはダメで、阪急マルーン色と言わなければなりません。(笑)
梅田駅と十三駅の間に中津駅があるんですが、不思議なことに駅があるのは宝塚線、神戸線だけで京都線には駅のホームそのものがありません。いろいろな歴史からこうなったようです。
■阪急京都線は京阪が作った
もともと阪急京都線を作ったのは京阪でした。今も走っている京阪は住宅地を結んだ路線で大阪―京都間に時間がかるため、もっと山沿いに新線を作ろうと、できたのが京都線。ところが戦時中に阪急と阪神が統合し、戦後、分離する時に京都線は阪急になってしまいました。
京都線の終着駅は十三なので、宝塚線を使って梅田に乗り入れていました。神戸線と宝塚線に中津駅がありましたが、京都線を梅田まで伸ばした時に駅のホームを作るスペースがなく、結局、京都線に中津駅がなくなったそうです。

鮮魚列車

鮮魚列車
早朝や夕方、近鉄に乗ると鮮魚列車という3両編成の貸切電車と遭遇します。行商人が伊勢から大阪へ魚を運ぶ専用列車で、日本では近鉄だけになってしまいましたが、この列車をレポートした、その名も「行商列車」(創元社)という本が出ていました。
■一番組
本によると行商人の多くは松阪市の北にある猟師町(猟師漁港)から魚を運んでいます。鮮魚列車以外に5:22に松阪から出る普通電車の始発に乗っている行商人も多く、一番組と呼ばれています。
始発は名張駅行ですので、名張駅で上本町行きの急行に乗り換えますが、一般客に迷惑がかからないよう一番最後の車両に乗るのが慣行となっています。私も三重県産業支援センターへ行く時は始発に乗ることが多いので、行商人みたいなもんですが(笑)、ほぼ毎日続けているのがすごいですねえ。
■鮮魚列車の仕組み
鮮魚列車は貸切で鳥羽から上本町まで運行しています。借主は伊勢志摩魚行商組合連合会。もともとは一般客からクレームが出たため、行商人を分けるために昭和38年から始められました。定期代などを含め1ケ月の経費は3万3千円ほどかかります。平成になった頃の会員数は300人ほどいましたが平成21年で115人に減少。
■伊勢屋という屋号
多くの行商人は大阪の商店街に自分の店を持っており、近所の人に売ります。流通ルートが短いので鮮度がよく、魚の知識も豊富でおいしい食べ方を提案してくれるため固定客がついています。猟師町の会員の店の名前は全て「伊勢屋」になっているそうなので、商店街でこの屋号を見かけたら鮮魚列車に乗っている行商人のお店でしょうね。

駅ナンバリング

伊勢中川駅
大阪では市営地下鉄で駅ナンバリングが実施されています。
アルファベットと番号の組み合わせで駅を示し、インバウンドで訪れた外国人や日本人観光客にとっても便利。喜連瓜破(きれうりわり)のような難読駅でも「T33」で分かります。御堂筋線は「M」、谷町線が「T」、四つ橋線が「Y」、中央線が「C」、千日前線が「S」、堺筋線が「K」、長堀鶴見緑地線が「N」、ニュートラムが「P」、今里筋線が「I」になっています。ただ起点駅は「1」ではなく「11」からスタートしています。
近鉄でも駅ナンバリングがはじまっていて奈良線が「A」、橿原線が「B」、大阪線が「D」、名古屋線が「E」、吉野線が「F」になっています。支線では、生駒線が「G」、天理線が「H」、田原本線が「I」、信貴線が「J」、湯の山線が「K」、鈴鹿線が「L」、山田・鳥羽・志摩線が「M」、道明寺線が「N」、長野線が「O」、御所線が「P」となっています。
大阪市営地下鉄で一番大きな数字は八尾南駅の「M36」ですが、日本一営業キロが長い近鉄となると駅の数が多いので、大阪線ですと伊勢中川駅の「D61」。伊勢中川駅からは山田・鳥羽・志摩線がはじまり中川駅は「M61」になります。志摩線の最終が伊勢志摩サミットの舞台・賢島駅になり「M93」となっています。難波から賢島まで93も駅があるんですね。路線にあと7駅増えると3桁となります。ウルトラマンの故郷「M82」は鳥羽駅です。(笑)

ガチャコン電車

近江鉄道
近江を走るローカル線が近江鉄道。
近江鉄道は西武グループの系列会社で、黄色いライオンズカラーの電車が走っています。ほとんどが西武電車のお古。近江は西武を創業した堤康次郎の出身地でもあり、レオマークをつけた近江タクシーや近江バスがよく走っています。西武大津店や大津プリンスホテルもあります。そんな関係か関西では珍しく、滋賀県で一番人気のプロ野球チームは埼玉西武ライオンズになっています。レオマークの刷り込みのせいでしょう。
新幹線で大阪から東京へ向かう時、左側(西側)を近江鉄道が走るのが見えます。近江八幡を超えて観音寺城跡を過ぎたあたりから、彦根城が見えそうになる彦根の手前ぐらいまで新幹線と並走しています。1時間に1本から2本しか走っていませんので、近江鉄道の2両車輛の電車を見るのはかなりレアです。
近江鉄道の本線が東海道線・米原駅と草津線。貴生川を結ぶ線。日野商人の里でる八日市から近江八幡や多賀大社を結ぶ線もあります。近江人は近江鉄道を「ガチャコン」と呼ぶそうで、がちゃこーん、がちゃこーんと走るからというのが、その理由です。

川の上にある駅

武庫川駅
小川の上に駅のホームがあるのは阪急・夙川駅など珍しくないんですが、川幅いっぱいに駅があるのは阪神・武庫川駅しか見たことがありません。
武庫川の上に6両編成の電車がとまるため200メートルの川幅いっぱいにホームがあります。ホームの下は川。また電車を使わず武庫川を渡りたい人のために外側に狭い通路が設けられています。以前、日経新聞の夕刊になんで、こんな変な駅ができたのか記事が掲載されていました。
大正時代に武庫川の改修工事が行われ、この時に現在の線路の形になりましたが、問題になったのが駅舎をどこに作るか。土地の買収がいりますし、どちらかの川の岸に駅を作ると反対側からは不便だという声があがります。そこで川の上にホームを作ることになりました。
当時は1両でしたので小さなホームでしたが、車両の長さにあわせてホームがどんどん伸ばされ、現在のように川の端から端までホームがあるという不思議な駅になりました。ホームからは武庫川の両岸の桜並木が楽しめます。

Yellow Magicトレイン

三宮
ひょうご産業活性化センターで窓口相談。
年度はじめながら4件の相談(1件キャンセルがあったので予約は5件)があり、相談が終わって報告書を書いていたら終業時間ギリギリになってしまいました。
三宮へ行くのに九条駅で阪神電車に乗り換えていますが、武庫川駅と甲子園駅の間の高架化工事が終わったようで下り線だけが高架になっていました。ネットで調べると3月14日から下り線1.9kmが高架になったそうです。週に1回は阪神電車に乗っているのに社内で本を読んでいるので気づかなかったなあ。2016年度中に上り線も高架化するそうです。
阪神と言えば阪神タイガース誕生80周年なんだそうで、時たまタイガース・カラーである黄色の電車「Yellow Magicトレイン」なるものが走っています。側面には藤村富美男、村山実、吉田義男、江夏豊、田淵幸一、ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布、金本知憲などのOBから現役選手が描かれていて、派手ですねえ。阪神は近鉄と乗り入れしているので、時たま奈良でも見かけます。

名城線が環状化して10年

名城線
名古屋市営地下鉄・名城線が環状化されてちょうど10年がたちました。
先に環状化されたのが都営地下鉄・大江戸線ですが、都庁前駅のところが完全な環状になっておらず運行は「6の字型」になっています。山手線のように循環型で運転する地下鉄は名城線が日本で初めてになります。というか地下鉄は大体、東西か南北に延びるので環状になっている地下鉄は名古屋市だけです。その代わり東京や大阪のようにJRの環状線がありません。
大阪環状線、山手線、大江戸線では「外回り」、「内回り」が使われていますが、名城線だけは「右回り」、「左回り」になっています。地上と違って地下を走っていると電車が見えないなどの理由だそうです。大阪環状線に慣れていると、どっちに乗ればよいのか迷います。
名城線で一周したことないんですが、50分ほどかかるそうです。

電車の連結作業

近鉄
阪神・三宮駅から近鉄・奈良行き快速急行に乗ると途中の尼崎駅で前に4両を接続します。
これは尼崎-三宮間の各駅が6両編成を基本としているためで、近鉄難波から先の近鉄・大阪線は朝夕、10両編成となります。ただ近鉄・奈良駅は10両対応になっていないため大和西大寺駅で、また電車を切り離します。
近鉄では名張駅、大和西大寺駅、高安駅などで車両の接続、切り離しがよく行われていますので、乗客も慣れています。名張駅で接続する時も車内では「今から車両を接続しますのでお立ちの方は、ご注意ください」といったアナウンスが流れる程度。
ところが阪神が梅田と三宮を結んでいた頃は列車の接続、切り離しはなかったのに近鉄と相互乗り入れするようになってから、この接続、切り離し作業が入るようになったので、慣れておらず大変。
「今から列車の接続作業に入ります。列車は2度動きます。お立ちの方は揺れますからご注意ください。」
「列車は止まりましたが、もう一度、動きます。ご注意ください。」
「今からドアを開けますので、ご注意ください。」
近鉄の3倍ぐらい時間がかかってドアを開けています。
ホームでも「列車は今から2回、動いて接続作業に入りますから、お待ちの方は白線の中まで下がってください」とアナウンス。近鉄なんかさっさと列車の連結をして、すぐ出発しますので慣れとはいえ手際のよさは全然違いますねえ。

日本一短い名古屋の地下鉄・上飯田線

上飯田線
以前から名古屋市営地下鉄の路線図を見て、不思議だったのが上飯田線。
平安通駅から上飯田駅まで一駅しかありません。全長わずか800メートルで、日本一短い地下鉄路線。小牧に行く時に乗ってみました。名城線・平安通駅で降りて、上飯田線のホームへ行くと、ちょうど犬山行の電車が入ってきました。名鉄と直通運転のようです。
電車に乗り込みましたが、待てど暮らせど電車は動きません。名古屋の地下鉄でありながら、1時間に4本しか電車がなく15分おきになっています。ここらあたりは名鉄ですねえ。さすがに朝の通勤時間帯は1時間に8本出ています。ただ始発と終電は地下鉄線内だけなので、終電に乗ると800メートル先の上飯田駅までしかいかないようです。
以前は上飯田駅から市電に乗れば名古屋市内に行けましたが、市電が廃止され30年経って、ようやく地下鉄で結ばれました。