離宮院跡

離宮院跡

伊勢神宮の入口にあるのが宮川の渡し。この宮川の手前にあったのが斎宮(さいくう)の離宮院です。斎宮とは古代から南北朝時代にかけて、伊勢神宮に奉仕した斎王の御所で、現在も発掘が続いています。

■斎王
斎王は天皇の皇女などが任命され、天照大神の御杖代となりました。初代が豊鍬入姫命で、現在の伊勢神宮を創建したのが2代目の倭姫命になります。有名なのが大来皇女で、謀反を起こしたと殺された大津皇子を偲んだ「うつそみの人にあるわれや明日よりは 二上山を弟背(いろせ)とわが見む」が万葉集に残っています。

■離宮院
斎王が斎宮から伊勢神宮へ向かう途中に立ち寄ったのが離宮院で、離宮院ができたのは延暦16年(797年)。坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命された年になります。斎宮と同様に離宮院も広かったようで、たくさんの役所が並んでいました。839年に火災で燃えましたが、すぐに再建されたようで、当時の土塁跡が今も残っています。北側が5メートルほどの高低差がある丘になっていて防御力は高そうです。

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