「太陽の道」ってご存知ですか?
もともとは小川光三さんという仏像写真家が「大和の原像―知られざる古代太陽の道」で発表されたものです。これが1980年にNHK特集「知られざる古代~謎の北緯34度32分をゆく」で取り上げられて一大古代ブームを巻き起こします。奈良国立博物館の北向いに今も飛鳥園があり、小川光三さんはこの飛鳥園(写真撮影会社)の代表でした。
■太陽の道とは
倭姫命(ヤマトヒメ)が諸国を巡り、最終的に伊勢神宮に天照大神を祀りますが宮中から最初に移されて祀ったのが笠縫邑(かさぬいのむら)。山辺の道沿いにある現在の檜原(ひばら)神社といわれています。美内すずえの「アマテラス」の世界ですねえ。
この檜原神社を中心に箸墓古墳、大坂山(穴虫峠)、長谷寺、室生寺などなどが北緯34度32分の線上にほぼ一直線に並びます。一番東は伊勢斎宮跡、西は堺の大鳥大社で、さらに淡路島の伊勢の森へと続きます。これが古代のレイライン(太陽の道)です。
若い頃、大鳥大社からひたすらまっすぐ東を目指して歩き、住宅街などで迷いながら富田林で挫折して喜志駅から帰った思い出があります。
■檜原神社
神社の鳥居からまっすぐ西を見ると大坂山(穴虫峠)があります。二上山の北側で古代、大和と河内を一直線で結ぶ大津道(現在の長尾街道、近鉄南大阪線)が通る峠です。
春分又は秋分の日に檜原神社の鳥居から見ると、穴虫峠へまっすぐに日が落ちていきます。ですのでこの場所に神社を作ったのでしょう。伊勢神宮の最初の地ですので檜原神社は元伊勢と呼ばれています。