おもしろい商品は売れ続ける

cocoa201305.jpg昨日は30円にこだわるコドモ菓子専門メーカー・ オリオン株式会社の高岡企画部長に「おもしろい商品は売れ続ける~ロングセラーは笑いを取れ~」というタイトルでセミナーをしていただきました。 

■ココアシガレット 
昭和27年、タバコのPeaceがデザインを変更し、紺色がピースコンと名づけられました。大人のマネをしたいのが子供。そこで発売されたのがココアシガレットです。ピースコンの色になっています。 

これがいまだに続くロングセラー商品になりました。一度、20円から30円に値上げする時にパッケージデザインをキャラクターに変えましたが、全然売れずに、結局元に戻しました。 

■ミニコーラ 
昔の缶ジュースと言えば、缶切り機がついていて缶の2ケ所を開けて飲むものでした。そこに登場したのがプルトップ。指で缶ジュースが開けるようになります。100円札がなくなり100円玉になった頃、ジュースの自動販売機が町に設置されます。 

子供の小遣いでジュースを買えません。そこで発売したのが缶の形をしたミニコーラ。売れましたのが、そこに届いたのが警告文。世界最大の飲料メーカーとの仁義なき戦いが始まりました。ここは「仁義なき戦い」のビデオで説明がありました。他にもクレヨンしんちゃんのチョコビ騒動もありました。

昔、懐かしい駄菓子屋さんの風景や製造工程についても見せていただきました。なんと30円の駄菓子を作る製造機械が1億5000万円! 

昇先生

nobori201305.jpg先日、小野 元裕さんの結婚式に出席した時に隣に座られたのが昇先生。久しぶりにお会いしました。

昇先生は産婦人科医で、知的生産の技術研究会・関西を立ち上げた頃、よく参加されていました。笑いがもたらす健康への効果を研究され、現在は「日本笑い学会」副会長、「元気で長生き研究所」所長として 全国を講演活動中です。

提唱しているのがPPK活動。ピン、ピン、コロリで寝たきりなど介護のお世話にならず元気でがんばって、そのまま逝くという活動です。ガン患者15名とともにモンブランや富士登山に登るような活動もしています。

今度、漫画に登場すると聞いたので、「ビッグコミック オリジナル(5月20日号)」を買ってきました。釣りバカ日誌や三丁目の夕日が連載されている漫画です。「ひよっこ料理人」の巻頭に登場していました。いやあ、本人にそっくりですね!

EU統合の父の母は日本人

tiken201304.jpg知的生産の技術研究会から出ている機関誌。 

巻頭は毎年、開催されている寺島実郎氏(多摩大学学長、三井物産戦略研究所所長など)の講演録「日本の進路はどうあるべきか」。寺島氏にはよくテレビのコメンテータなどで登場されているので、ご存じの方も多いでしょう。寺島氏には知研の顧問にも就任いただいていて毎年、知研向けに講演をしてもらっています。 

米国は中国、日本を本当はどう見ているかなど新聞などでは報じられない見方が掲載されていて勉強になりますね。講演の最初に司会の久恒さんが昔の寺島氏のちょっとしたエピソードを紹介しています。 

寺島氏が高校生の時に政治家だった鹿島守之助氏に書いた手紙で、EU統合の父であるクーデンホーフの訳を鹿島氏がしています。本に感銘したが他の本を読むお金がないので、早い話が本の無心。感激した鹿島誌から返事が返ってきて、いろいろな本が送られてきたそうです。 

EU統合の父であるクーデンホーフですが明治時代にお父さんが駐日大使として日本に赴任しており、この時に芸者だった青山光子を見染めて奥さんにします。ゲランの香水に「ミツコ」がありますが、この名前の由来となりました。EU統合の父のお母さんは日本人だったんですね。 

鹿島守之助氏の孫が鹿島建設の副社長で中曽根康弘氏の娘婿の渥美氏。高校生の時、おじいさんにこんな手紙を出したと言ったところ。おじいさんの秘書が存命でこの手紙が出てきて現在は寺島文庫に入っているそうです。 

去年の12月に知研関西25周年記念セミナーで梅棹忠夫先生の秘書を長く勤められた三原さんにセミナーをしていただいた講演録もおさめられています。 

余分が5冊ほどありますので、次回の知研関西セミナーへもっていきますので先着順でどうぞ! 

次回は「おもしろい商品は売れ続ける~ロングセラーは笑いを取れ~」 
日 時:2013年5月24日(金)18:55~20:40 
場 所:大阪産業創造館 6階会議室B 
講 師:30円にこだわるコドモ菓子(駄菓子)専門メーカー 
    オリオン株式会社 取締役企画部長 高岡 五郎氏 
▼詳しくは 
http://tiken-kansai.org/

知的生産の技術研究会・関西25周年セミナー

tiken201212.jpg1987年9月に発足した知的生産の技術研究会・関西が25周年を迎えました。1987年といえば国鉄がなくなってJRが発足した年。大河ドラマでは「独眼竜政宗」をやっていました。 

東京から八木会長に来ていただいて挨拶。その後は参加メンバーにしゃべってもらった後、昔の写真をもとに25年間の歴史について振り返りました。当然ながら皆さん、若かったですね。 

メインは国立民族学博物館 梅棹資料室 三原喜久子さんに「梅棹忠夫アーカイブズー知的生産の巨大技術のなかで」というタイトルでお話しいただきました。 

■知的生産の技術【岩波新書】 
会が生まれるきっかけとなった名著ですが1969年7月21日の初版は45000部。 
8月には3回増刷、12月には9刷となり、発刊5ケ月で26万部の大ベストセラーに現在も売れていて、90刷までいっています。梅棹先生は海外出張中でしたので問い合わせに対して秘書の藤本さんが丁寧に返事している手紙もアーアイブスに残っています。問い合わせで多かったのはB6カードが見たいという内容。今では文房具店で当たり前に売られているカードですが、この時に生まれました。 

■アーカイブズ 
写真やスケッチなど膨大な資料が残っていて例えば八木哲郎というファイルには八木代表とやり取りした封書などが全部残っています。 

フィールドノートは同じノートを使い(規格を揃える)、ノートには通し番号を記載。またノートには必ず索引をつけ、後で活用できるようにしています。ノートは50音順や発行年月日などで単純に並べ、分類はしません。 

基本は自分にも他人にもわかるように書くこと、また単語ではなくセンテンスで書き、他人が後で読んでわかるようにしなければなりません。ウーン、悪筆なんでとうていマネできませんねえ。

現代ビジネスマンのための学問のすすめ

okuno201210.jpg昨日、大阪産業創造館で知的生産の技術研究会・関西セミナーを開催。 

講師は作家 奥野 宣之氏で、新作である『現代語訳・学問のすすめ』を題材に話をしてもらいました。 

「学問のすすめ」は慶応大学を作った福沢諭吉が明治5年に書いた本ですが140年前に書いた本とは思えず、現在と同じような問題が書かれていて140年間、あんまり変わらなかったんですね。 

福沢諭吉の「学問のすすめ」が発売されたのは1872年(明治5年)。江戸から明治になったばかりで当時の人口は3500万人ほど、「学問のすすめ」は22万部売れました。160人に1人が読んだ大ベストセラーでした。 

■赤穂浪士批判 
「学問のすすめ」という題名ながら学問よりも嫁・姑問題やら上司とのつきあい方など多彩な話題が書かれています。出版当時、問題になってたたかれたのが赤穂浪士の批判。吉良邸への討ち入りは私刑であって法を破っている。幕府の片手落ち裁判を問題とするのなら最後まで裁判で争うべきで、私刑でやってしまったら国が成り立たないという論調です。おかしいものはおかしいと批判ですが、福沢諭吉は世間からはだいぶたたかれたようです。 

■現在と変わらない世相 
140年も前に書かれた内容とは思えない部分がたくさん出てきます。「政府とは優秀な人物をたくさん集めて、一人の愚か者がやるようなことをする所」と定義されています。個々は東大出など優秀ですが集団化すると愚者となります。現在の膨大な国の借金を積み上げてきた政府をみているとまったくその通り。 

また「愚民の上には圧政があれば、良民の上には善政がある」という言葉があり、政府批判をしても結局は「この国民あっての、この政治」。つまるところ国民が悪いと指摘しています。 

「いまの学者はインプットばかりでアウトプットできないものが多い」という言葉は昔も今も変わりませんね。 

また心事(自己評価)と働き(相対評価)のバランスが大切とも書いてあります。例えば自己評価が肥大になると「時代が悪い」と自分のせいではなく世の中のせいにし始めます。 

生活保護の問題についても書かれていて五升の米を与えると三升を酒に変えてしまう者がいると指摘があり、現在の不正受給問題ですねえ。 

会場に本を持ち込んでいただきましたが、早々と完売 

セミナーの様子です。 
http://tiken-kansai.org/TS12/S12-10.html

27歳 知研関西のスタート

昨日は大阪中小企業診断士会の交流会&宴会。今日は三重県産業支援センターの窓口相談や知財のメンバーと飲み会をしていました。この土曜日に人間ドッグなんですが、大丈夫かなあ。

以前に比べて三重県産業支援センターにはほとんど行っていませんので、久しぶりの飲み会です。宴会で隣に座った方は、今年、県から出向で来られた方で28歳。若いな~あ!

私が28歳といえばシステム開発のプロジェクトリーダーをしていた頃ですね。そうそう社内の付き合いだけでは駄目だと、懇談社から出ていた「わたしの知的生産の技術」の巻末についていた入会届けを送って知的生産の技術研究会に入会した頃。

会は東京が中心でしたので、しばらくしたら大阪でも会を立上げませんかという方があらわれて、大阪駅で3人で待ち合わせて発起人会が作りました。当時、私が一番若い27歳。若かったので会場予約と会計をやりますと申し出て知的生産の技術研究会・関西がスタート。


事が忙しくなったなどで発起人会のメンバーで残っているのは私一人だけになってしまいましたが、おかげで変な人脈やらいろいろと得がたい経験をさせていた
だきました。思い起こせば27歳の時に会を立ち上げたのが大きなチャンスになっていたんですね。その知的生産の技術研究会も今年、25周年を迎えます。

▼知的生産の技術研究会・関西
http://tiken-kansai.org/


飯の種の見つけかた、仕事人脈のつくりかた

tiken20120619.jpg昨日は大阪産業創造館で知研関西セミナー

福島 哲史氏に「飯の種の見つけかた、仕事人脈のつくりかた」というタイトルでお話いただきました。

ビジネス書など100冊以上を出されていますが、出版企画書を作るのはゼロから1を作る作業でパワーがいります。採用される率は1割程度なので100冊出したということは1000の企画を出したということです。

いろいろと面白い話があったのですが、若い方向けに自分をいかに成長させるかという話がありました。

■自分を成長させるには殻を破ることが必要。

昔は上司からムリ、ムダ、理不尽な指示があり、なにくそとこなすことで成長できましたが、今はそんな時代ではありません。

また好きだというだけで動くと壁にぶつかります。意識的に自分がきらいなことに取り組んだり、きらいな人と会うことで自分の殻を破ることが重要。好ききらいと優れているということとは違います。セミナーに参加しようかどうしようかと迷ったら行くことが大切。

個人的に面白かったのが実際にどう仕事を取るかの話で、講演料などは経費削減で減らされていますので、最初から予算化されている広告宣伝費などの勘定科目となるように提案することが肝心という話です。なるほど!

セミナーの様子です。

http://tiken-kansai.org/TS12/S12-06.html

行動観察セミナー

tiken20120529.jpg昨日は、大阪産業創造館で知的生産の技術研究会・関西のセミナー

講談社現代新書「ビジネスマンのための行動観察入門」で、手法が紹介されビジネスマンや経営者に注目されている行動観察。この行動観察を行なっている株式会社エルネットの磯常務にセミナーをしていただきました。

盛りだくさんの内容を90分に圧縮して行なっていただきました。行動観察とは、字があらわすように人の行動を客観的に観察し、分析することです。エルネット内部で行われた行動観察の事例や優秀な営業の特性などを心理学の話を交えながら分かりやすく紹介いただきました。

エルネットは大阪ガスの小会社なんですが、ガス会社では修繕などで家の中まで入る業務があります。この時に大切なのが必ず相手の承諾を得ること。
「ちょっとコンロを拝見させていただいてよろしいですか」と確認します。これを確認しないでやると、相手には勝手にやったと思われクレームになってしまい
ます。営業がうまい人も同じようなことをやっており、行動観察によって見える化し、うまい営業のやり方を新人などに教える横展開が可能になります。

F1

tiken201205.jpgF1というのは自動車レースではなく野菜などの種の話。現在のほとんどの野菜はタキイやサカネなどが売っているF1種が使われて栽培されています。

知的生産の技術研究会から出ている会報誌「知研フォーラム317号」にJIフォーラムの講演録が載ていて野菜作りの話が出ていたのですが、F1
種ってすごい作り方をしているんですね。遺伝子のいたづらで雄しべがない野菜ができます。こういう異常種からF1種が作られます。早い話がオスの機能があ
りません。受粉にはミツバチが使われています。

そういえば以前に知研関西で産婦人科医(日本笑い学会理事)の昇先生に成人男性の精子がどんどん減っていて不妊が増えているという話を聞きました
が、F1種の野菜が食べることが原因かもしれないが誰も調べていないと講演録に載っていました。一夜にしてミツバチが原因不明に大量に失踪する現象があり
ますが、これもF1種の影響かもしれないと言われています。

昔からの固定種で野菜を作ればよいのですが、曲がったキュウリやら規格に合わない野菜が山のように出来てしまいます。生協などで野菜の宅配してい
ますが、同じものを頼んだのに我が家には小さい野菜がたくさん届き、お隣にはちょうどよいぐらいのが届くとクレームになるそうで、結局、規格に入らないも
のは捨てざるをえないそうです。これは消費者にも大いに問題がありますね。また物流の効率化を追求するため青首大根も長さが揃い、曲がっているものはあり
ません。

F1種ではなく固定種で作り、規格品以外で現場で捨てられている野菜を、きちんと理由を説明して宅配するビジネスはけっこう有望かもしれません。
ただF1種のように一定の時期に取れず、バラバラで育ちますので収穫時期はマチマチ。農家の手間がかかりますが本来の野菜はそんな多様な野菜だったんです
ね。

ビジネスの最前線は国際標準を取ること!

seminar201203.jpg昨日は知研関西セミナー。20年振りに会員の田島さんに燃料電池の話をしていただきました。

大部の資料で分かりやすかったのですが、圧巻は国際標準をとるため世界中の技術者との丁々発止のやり取り。グローバル化と言う話を聞いています
が、えらい世界になっているんですね。マスコミはこういった話をもっと報道してもらうと、国際ニュースがもっと分かりやすくなるんですが。

■家庭用燃料電池エネ・ファーム

火力発電所から送電すると送電ロスなどで家庭に届く頃には38%になっています。家庭用燃料電池エネ・ファームなら発電所を家庭に設置したのと同じなので電気とお湯(熱)が取り出せ、効率は85%に向上。まさに発電の地産池消ですが、課題もたくさんあります。

まず高い!金額は270万円で補助金は100万ほど出ますが、ガスや電気の節約でみると年間6万円ほど。寿命は10年ですのでモトはとれません。
ただしこれは余った電気の売電単価が太陽光発電に比べてメチャクチャ安くなっているためです。ガス会社と電力会社は競走していましたので安い売電料です
が、この金額が高くなると工場の自家発電と同じですので、節電効果が高くなります。

燃料電池は発電ですが、反応させるには温度を上げる必要があり、この時、電気が必要で、停電になると使えません。バッテリーで電気を使わないシステムはできていますがコスト高になります。

また高校生の子供などがいて、よくお湯に入っている家庭では省エネになりますが、一人世帯であまりお湯を使わなければ反対に増エネになってしまいます。全ての家庭に向いている商品ではありません。

■国際標準を取るための丁々発止

日本の燃料電池の技術はかなり進んでいますが、太陽光発電をみても普及期になると韓国や中国に負けてしまうのが世の常。これは国際標準をとっていないからで、市場を押さえるのは国際標準をとらなえればなりません。

WTOに貿易の技術的障害に関する協定というのがあり、国際規格に基づいて認証を受けた製品の輸入を、JIS規格などで排除したらだめよという制
度です。日本は技術的に優秀でしたのでJIS規格などを制定してきましたが、これがためにガラスパゴになっています。実際、2001年にシンガポールで2
槽式自動洗濯機の輸入差し止め事件が発生しました。脱水槽の蓋を開けた時に日本はゆるやかに止まるブレーキ機構をJISで作っていましたが、国際標準は欧
米の1槽式回転ドラムを前提としたすぐに止まる規格。JIS規格の製品なら世界で受け入れられると思っていた日本企業に冷や水を浴びせる事件となりまし
た。

燃料電池の世界では国際標準をとらないと太陽光発電などの二の舞になります。そこで重要なのがコンビーナ(議長)という役職。国際標準を検討する
機関では技術課題に従ってワーキンググループを作り、規格を定めていきますが、ここで音頭をとるのがコンビーナ(議長)で発言力があります。燃料電池に関
しては技術が進んでいる日本はいろいろなワーキンググループでコンビーナ(議長)になっています。田島さんはISO/TC197
WG14(定置用燃料電池の水素燃料仕様)のコンビーナで、欧米から参加した技術者と丁々発止で規格を決めています。

ワーキンググループの公用語は英語。毎年、違う国で会議が行われますが、ここで日本の今まで開発してきた燃料電池の技術が国際標準になると日本のメーカーにとっては世界で戦えることになります。ビジネスの最前線は国際標準なんですね!